2023/12/08 23:03
こんにちは。ALTSTONEです。
ALTSTONEでは砥石単体で販売しているものの他に、名倉砥石を一緒にで販売しているセット商品もあります。
その名倉砥石について、使い方がわからないという声をいくつかいただきました。
名倉砥石をを「小さな面直し砥石」というふうにに誤解している方も少なからずいらっしゃるようで、
以前から上手くお伝えできていないことが気になってはおりましたので、名倉砥石について整理してみたいと思います。
これまで、名倉砥石について充分にお伝えできていなかったいという反省も踏まえております。
名倉砥石の役割
ALTSTONEでは名倉砥石の役割は、
一言で纏めるなら「刃物が滑りやすい時の食い付きアップ」とお伝えしています。
では、どんな時に刃物が滑りやすいかというと、いくつかのケースがありまして、
①硬い砥石で研ぐとき
②硬い刃物をとぐとき
③研ぎ始め
④目詰まり時
です。
砥石に限らず、硬い物質は摩擦係数が低くつるつると滑りやすい傾向にあります。
ですので、砥石や刃物が硬くなればなるほど滑りやすくなります。
また、砥汁がまだ充分に出ていない「研ぎ始め」も滑りやすいです。
そして、刃物の研ぎカスが砥石にこびりついたような「目詰まり時」も滑りやすいです。
これらの時に、名倉砥石を使って砥汁を作ってあげることで刃物がしっかり食い付いて気持ちよく研ぐことができます。
名倉砥石の使い方
使い方はとても簡単です。
砥石本体と一緒に名倉砥石にも水を充分含ませてから、名倉砥石で砥石本体の表面を擦ってあげるだけです。
よく擦ってしっかり砥汁を作るのもよいですし、簡単にたった3~5回擦るだけでも、
名倉を使わない時と比べると雲泥の研ぎ感の違いです。
名倉砥石の粒度選び
名倉砥石を使うときに気を付けていただきたいことがあります。
名倉砥石で作った砥汁をそのまま研ぎに使うときは、「砥石本体と同じか砥石本体よりも細かい名倉砥石を使う」ということです。
例えば、
砥石本体が#1000なら、名倉砥石は#1000かまたはそれよりも細かい粒度でなくてはなりません。
砥汁に#1000より荒い粒子が混ざったら#1000の研ぎができないからです。
一方で、砥石表面の目詰まりが目的で、砥汁を洗い流して研ぎに使わない場合は
そこまで神経質になる必要はありませんが、砥石本体よりもやや粗いぐらいの方が効率的に目詰まりを直せると思います。
このように臨機応変に使い分けていただければ一番よいのですが、
ALTSTONEではそんな小難しいことを考えなていただかなくてもいいように、
セット品には「砥石本体と同じ粒度の名倉砥石」をお付けしています。
名倉砥石の誤解
冒頭でも書いたとおりですが、よく耳にするのが
名倉砥石を「小さな面直し砥石」だと誤解している方が結構いらっしゃいます。
上に書いたとおり、名倉砥石は食い付きをよくするために使いますし、
面直し砥石(修正砥石)は、凹んだ砥石を平面に直すためのものです。目的が違います。
目的が違うので、商品の特性も違います。
名倉砥石と修正砥石の商品特性を比較すると
修正砥石は平面維持性が求められるので硬度はだいぶ高く作られています。
一方、名倉砥石は自らが削れて砥汁を供給する役割もありますので、それほど硬度は高くありません。
また、名倉砥石はその見た目どおり、表面積が小さいので、
自分の何倍もある砥石本体を平らにすることはできません。直したい砥石の窪みにはまって面直しどころではありません。
↓↓↓↓ こちらの絵と同じ理由で、表面積の小さい名倉砥石では面直しはできません
名倉砥石を使って研ぎライフをちょっとOneUpしてみてください。
皆様の研ぎライフの一助になりますように。
それでは。ALTSTONEでした。