読み物(ブログ)

2023/12/03 18:40



こんにちは。ALTSTONEです。

ALTSTONEは「深(FUKAMI)」から始まりました。

「ALTSTONE」ブランドの砥石は2021年から砥石の販売を始めています。現在の「深(FUKAMI)」シリーズがそれです。
そして、今年2023年からは硬口の「凛(RIN)」という砥石もリリースしました。(凛は2023/12/3現在、まだ#1000のみです。)

「深(FUKAMI)」から始まったと言っても、もともとは商品名が付いておらずALTSTONEというブランド名だけの商品だったのですが、
「凛(RIN)」を発売するにあたって、「深(FUKAMI)」という名前を付けさせていただきました。

「深(FUKAMI)」は、「どの鋼材にも対応できて、アタリもよく、刃の曇り方も悪くない」と満足して意気揚々とリリースした砥石なのです。

「凛(RIN)」の開発開始

なのですが。。。

「深(FUKAMI)」の販売を開始して、アマゾン上での評価や、アンケートでいただいた声から痛感したことは、
「想像していた3倍ぐらい、みなさんの砥石の好みがバラバラで刺さってない人もチラホラといる!! ( ゚Д゚) ガーン 」  

ということです。

中でも困ったのが砥石の硬さに関する問題です。
「鋼材を選ばずオールマイティに使っていただける砥石を、そして、和包丁の仕上がりも綺麗に」と思い砥泥が良く出るコンセプトで作った砥石が、「柔らかい」という声がちらほら。

「そうだよね、減らないに越したことはないよね」とは思うものの、
それでも、深(FUKAMI)の良さを分かってくれている人もたくさんいらっしゃるので深(FUKAMI)の仕様を今更変えたくないし。。。

かといって、好みに合わない人から大切なお金をいただいて使っていただくのは申し訳ないし。。。

ということで開発に着手したのが「凛(RIN)」です。

「凛(RIN)」のリリースまで1年以上かかりました。

「凛(RIN)」を作ろうと思った当初、「高硬度の鋼材が研げる範囲でギリギリまで硬くすればいいだろう」なんて簡単に考えていましたが、やってみると意外とそのバランスが難しく苦戦の連続でした。

はっきりと「研ぎ感が変わったな」と感じるぐらいまで硬くすると、刃物を選びまくるのです(泣)
かといって少し硬度を落とすと、深(FUKAMI)との違いが分からない中途半端な感じになったりして。。。

何度も何度も作り直してもらう工場にも申し訳ない気持ちでいっぱいになりながら、
それでも工場にアイディア出してあれこれ試してもらったりして、なんやかんやと仕様が決まるのに1年以上かかりました。

別のブログで、一般的な話として「硬い砥石は鋼材を選ぶ」という主旨のことを書かせていただきましたが、
「凛(RIN)」はこの点、高いレベルでバランスを取ったと自負しております。

硬口なので和包丁の切刃全体には少しアタリにくく感じますが、ご家庭で一般的な三徳や牛刀には最高です。
筆者は「凜(RIN)」の研ぎ感が好きで、暇なときに意味もなくついつい研いだりしています。

硬口の砥石がお好みの方には「凛(RIN)」をお勧めしています。


プロ研ぎ師の本気レビュー

一流研ぎ師「刃研ぎ屋「月」」さんに「凛(RIN)」をレビューしていただきました。
アマゾンの販売ページでは載せられる情報量に制限がありますので、こちらで全文を載せさせていただきます。

いただいたレビューを、加工なしで全文載せさせていただきます。
「良い」も「悪い」も知っていただいて、興味がありましたらぜひご購入くださいませ!

------- 以下「刃研ぎ屋【月】様レビュー 全文---------------
研ぎ屋 」 研ぎ師:安達 大志
 包丁はもちろんハサミや鎌、クワ、ナタ、業務用スライサーまで、ありとあらゆる形状/鋼材/コンディションの物を研ぐ
 新潟市を中心に活躍し、年間で研ぐ物は年間で約8500本以上。

1、パッケージ、内容について
  砥石は台無しのタイプでスッキリしていて私好みです、しかし滑り止めのマットがついているので
 一般の方にも届いた時から使いやすいと思います。
 ただ砥石の厚みが薄いので別途 台などを使って高さを出して使った方がより研ぎやすいかと思います。
  研ぎ方についてのチラシが同封してあるのも親切だと思いました。

2、研ぎはじめ
  硬い砥石の場合、最初はツルツルと上滑りして研ぎ難いと感じる事がありますが、そんな事はなく最初からしっかりと物に食い付いて良く研げます
 また研い物の面は砥石の番手以上に光ると思います。

3、30本ほど研いでみて
  5~10本ほど研ぐと砥石表面が黒く目詰まりしてくるので、その都度付属の修正砥石でキレイにすると使いやすいと思います。

4、100本ほど研いでみて
 2度ほど面直しをして使いましたが最初に気になった目詰まりはしなくなったように感じます。
砥石面の変形もしづらいので30〜40本くらいは面直しをしないまま使い続けました。
ただ硬くて変形しづらい反面、変形に気づきにくいので私は40〜50本毎に面直しをした方がいいと思います。

5、どんな包丁に適しているか
 ステンレス系、鋼系どちらの包丁にも対応できます。特にステンレスの三徳や牛刀には最適かと思います。
研泥が出ないので、包丁や柳包丁など地金を曇らせたい場合には向きません。
しかし、裏押しをする場合は非常に良いと思います。
なので砥石の片面は通常通り使い、もう片面は普段は使わずに裏押し用にして平らな状態を保つように使用すると良いと思います。
 余談ですが、裏押し用の面で花バサミや剪定バサミ、刈込バサミの糸を付けるにも非常に良いです。

まとめ
「硬い砥石が欲しい」という方にはかなりおすすめです。
このクオリティでこの値段は破格です。私なら¥5,000〜¥6,000でもおかしくないと思いました。
一般の方よりは業務用の方向けに最適かと思います。私も無くなったらまた欲しいと思いました。

・長寿命 
・高い平面保持力
研い物は砥石の番手以上に光るが番手通りの研磨力
・コスパ最強!面直しをしながら200本以上研ぎましたが1mmも減っていません。
・焼物なので水やお湯に浸けっぱなしでも変質しない

上記の点はかなりの強みがあり業務用で使う方には最高のアピールポイントだと思います。

○この砥石を買ってはいけない人
研ぎ初心者 →研ぎ慣れていない方には硬い砥石は研ぎにくいと思います。
・柔らかい砥石が好みの方 →そもそも硬い砥石が苦手な方は絶対に買ってはいけません。
・和包丁の地金を曇らせたい方 →硬い砥石の特徴としてハガネも地金も光る傾向にありますがこの砥石もそうです。やり方によっては曇らせることもできるかもしれませんが、わざわざこの砥石でやることではありません。
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それでは。ALTSTONEでした。